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  • まぐさ桶の犬を読んだ。 この本を読もうとしたきっかけは、このミスで5位にランクインしていたことだ。 本を読む前は知らなかったが、シリーズ物の最新作らしい。

    本屋件探偵の葉村晶が、近所の人の付き沿いを依頼される。 その人の親族である富豪から人探しを依頼される。 しかし、探す人の周囲の人間が、失踪していたり、不審な死を遂げていたりする所に気づく所から話が始まる。 本当に冒頭の文章では、主人公の葉村が死にかける所から始まる。

    謎が謎を呼ぶ展開で、読んでいて飽きなかった。 次々と表れる癖の強い人間達の裏事情が後半で暴露されたり、暴かれたりしていた。 人の名前や関係性を把握するのが大変だったけど、何となくの理解でガンガン読み進めた。

    それでも楽しめたのは、この本が持つ独特の雰囲気なのかもしれない。 主人公の葉村の皮肉っぽい視点や痛む体の描写が、何となく読みやすさに繋っているのかもしれない。 謎解きの間に、この描写があるから読めたのかも。

    book Created Thu, 12 Feb 2026 00:00:00 +0900
  • ヨルガオ殺人事件を読んだ。 カササギ殺人事件の続きの話で、二つのミステリーを一つの小説で同時に楽しむことができた。 カササギ殺人事件と同じように、コンウェイの書いた小説であるヨルガオ殺人事件が小説内の世界で起きた事件に関連している。 その事件の真相に気づいた人が失踪する事件が起きてしまい、ヨルガオ殺人事件の編集者である主人公に失踪事件や殺人事件の真相を解く依頼が来る。

    ヨルガオ殺人事件のストーリーも、本編のストーリーも一つのミステリー小説として完成されきっていた。 しかも、これらの物語を関連付けて謎解きとして成立させる手腕は凄いなと思った。 事件の謎以外にも、主人公の妹との不穏な雰囲気にも謎があったりして、もやもやしている雰囲気を出しつつ、綺麗に解いていた。 主人公何者なんだよ。本当にただの基編集者なのか?

    ただ、人の名前を把握するのは一苦労だった。 小説二つ分だからしょうがないけど、これには苦労した。 巻頭に人物紹介が無かったら途中で読むのを止めていただろうなあ。

    book Created Sat, 07 Feb 2026 00:00:00 +0900
  • 「一九八四+四〇 ウイグル潜行」を読んだ。 中国のウイグル自治区からカザフスタン、日本に住むウイグルの人々を取材したルポだった。 最初に、ウイグル自治区を取材し、カザフスタンに出国、その後日本に帰国しウイグル人を取材していた。 取材の様子も十分な内容だったと思うけど、ウイグル自治区からカザフスタンに出国する際、中国当局に拘束された話が衝撃的だった。 長時間に及ぶ取り調べのなか、素性を調べ上げられた結果、しばらくの間中国への入国が禁じられていた。 現実にこういう話があるのは衝撃的だったし、どれくらい大変なのか全然想像できない。

    ウイグルとカザフスタンで、自由度が大きく違うなと感じた。 ウイグルの人に、宗教や収容施設の話を質問すると、「わからない」などの返答が多く返ってきた。 自治区内にも警察や監視カメラが多くあることに加え、撮影した写真を削除するように繰り返し注意されているのも目立った。 それに比べ、カザフスタンでは、取材相手が赤裸々に体験を語っていて、当局の監視もそこまで厳しくない様子だった。 自由度の違い以外にも、ウイグル自治区に住むカザフ人も収容所に入れられていたというのはびっくりだった。

    収容所はあるという事は事実っぽいが、これが悪であるかという議論についてはちょっとよく分からなくなってしまった。 人権侵害という面を切り取ってしまえば、そうなってしまうのだが、治安維持という面では必要っぽいように思える。 改めて視点が変わると、何もかもが変わるということは忘れないようにしたい。

    book Created Fri, 30 Jan 2026 00:00:00 +0900
  • カササギ殺人事件を読んだ。 とても満足。 上下巻のから構成されていて、それぞれの巻において絡み合う別の殺人事件が展開されていた。

    特に冒頭は「???」となるような書き出しで、読む本間違えたか?と思った。 読了した今、この冒頭は計算されていて、著者が意図した通りに感情を操られたような気分になる。 それぞれのミステリーのトリックについては満足で、段々と謎が解明されていく様子はページをめくる手が止められなかった。 上巻はカササギ殺人事件の様子が描かれており、下巻ではカササギ殺人事件を書いた人が殺されるミステリーだった。 カササギ殺人事件は、ある村にある屋敷で働く人と主が死ぬ事件を追い、後半では著者が残した謎を追う。

    下巻の後半に両方の事件のトリックが明かされた構成になっていた。 上巻の謎の種明かしはされずに、下巻で新しい謎の話が始まるから、下巻の序盤はげんなりした。 でも、下巻にさりげなく上巻の登場人物の名前を出しておくことで、ちゃんと思い出せるようになっていた気がする。 このお陰で、「何の話だったっけ?」とならずに済んだから、両方のミステリーを楽しめた。

    book Created Wed, 21 Jan 2026 00:00:00 +0900
  • ファラオの密室を読んだ。 ある事件で死んだセティと呼ばれる神官が訳あって復活し、自分の死に関する謎を解くミステリー。 本の中には、大きく3つの謎がある。 一つ目は、神官セティはなぜ復活したのか?という謎である。 二つ目は、先王のミイラは何故棺の中に無かったのか? 三つ目は、ピラミッドの建築のための資材の移動が遅いのは何故か?というものであった。 二つ目の謎については、プロローグで事件が起きる。 そして、神官セティが冥界で目を覚まして小説が始まる。

    ミステリーとしても面白かったし、エジプト社会の描写も楽しめた。 それぞれの謎のトリックについて、そうかという納得感があった。 背景にも、エジプト社会固有の事情が背景になっていて、エジプトという世界が活かされていた。 オシリスやアヌビスなどの多神教の教えを、アテンという唯一神に先王は変えようとした。 この宗教対立という実際にあった出来事を事件の背景に上手く導入されていたと思う。 宗教観の理解については、エジプト人ではない奴隷に質問させることで噛み砕かれて、うまかった。

    エピローグでは、セティ本人の真実が明かされる。。。! これは、おまけと言って良いのか分かんないけど、小説の締めとして終わった感じがした。

    book Created Sat, 17 Jan 2026 00:00:00 +0900
  • 中山七里の「有罪、とAIは告げた」を読んだ。 東京地裁を舞台に、人間の裁判官と同じ判決を出力できるAI裁判官「法神」の判決を巡るミステリー。 最初は、AI裁判官の導入や性能評価の話をしている。 この「法神」が、ある殺人事件において死刑を宣告する所から物語が大きく動き出す。

    上手く言語化できないけど、すごくもやもやした。 AIに流される人やAIの営業をする人の行動や言動にムカついただけな気がしてきた。 AIは中国との技術交流の名目で持ち込まれていて、「法神」にはある秘密がある。 この秘密については現実味がある程度あると思うのだけど、露悪的過ぎのようにも感じた。

    AI時代において、人間の仕事は責任を取ることであるということがメッセージの中核にあると思う。 これ、柞刈湯葉の「未来職安」の話と同じだ。 場所が裁判所か、架空の職業かという違いくらいしか無いんじゃないか?

    book Created Wed, 14 Jan 2026 00:00:00 +0900
  • 文化系のための野球入門を読んだ。 日本に野球が持ち込まれてから、現代までどのような変遷を辿ってきたのかを解説しつつ、批評している本だった。

    野球という一つの題材を、ジェンダーや歴史、社会など色々な側面から論じていて、面白かった。 野球が元々サブカル的なものであったことや、甲子園が成立に至るまでの経緯など、知らなかったことが多かった。 甲子園は、明るいニュースを生み出す必要があって企画された側面があったことや、球場のスタンド?に入ることができる女子が1人までという規定があるというのは知らなかった。 この規定については、甲子園の伝統とやらを守るという本音が隠れているという指摘など、ジェンダー論などにも踏み込んでいて、そこまで分析できるんだという視点が新しく得られた。

    野球だけではなく、体育や他のスポーツについて論じている点も学びになった。 他のスポーツを同じように分析してみると、どのような結論が出てくるのか興味がある。 野球と比較されがちなサッカーについてはどうなんだろうか。

    book Created Tue, 13 Jan 2026 00:00:00 +0900
  • 伊坂幸太郎のマイクロスパイ・アンサンブルを読んだ。 猪苗代湖で行なわれているロックフェスにおいて、毎年配布される冊子で連載されているものを文庫化したらしい。 これにちなんで、小説の舞台は猪苗代湖が中心になっている

    話の内容としては、ある機関のスパイと社会人の物語。 二人が住んでいる世界は別物のように書かれているが、実は繋っている。 どちらかが取った行動が、どちらかの世界に影響している様子が面白かった。 社会人の世界において、社会人の友達が猪苗代湖で無くしたものが、スパイの世界では宝物として引き上げられて、最終的に見つかる所や、社会人の世界で地面に置いたコップがスパイの命を助けたりしている。 この奇妙な偶然の一致が話を進めていく様子は、何か暖かい気持ちになった。

    book Created Wed, 07 Jan 2026 00:00:00 +0900
  • 中山七里の「夜がどれほど暗くても」を読んだ。 とある週刊誌の副編集長の息子が、ストーカー行為をし、無理心中したという疑いがあるという所から物語が始まる。 ここから、副編集長の身の周りで起きる様々な出来事がきつかった。 本当にありそうな所がとてもエグかったな。

    ネットで叩かれるだけではなく、様々な嫌がらせを受ける。 特に被害者の遺族から襲われてから、大きく物語が動いていき、一気に読ませられた。 殺人事件のトリックというよりも、副編集長の心の動きを追うというような楽しみ方ができて、ある意味新鮮だった。 さすがの筆力だった。

    book Created Mon, 05 Jan 2026 00:00:00 +0900
  • 過疎ビジネスを読んだ。 福島県国見町で救急車のリース事業が始まることになった。 財源は企業版のふるさと納税が当てられている。 このビジネスから、「誰も」注目しない過疎地域に巣喰うコンサルや行政の実態を暴いた本である。

    著者は新聞社の記者で、新聞や経済誌で書いた内容を基に書かれている。 企業や人名はほとんどが実名で書かれていて、著者の気概を感じた。 実際にコンサルから有名弁護士事務所を通して、起訴するという文面を受け取りながら、これは中々だった。

    コンサルや首長のせいにして解決という話ではない。 国の政策が大本になるのだが、選挙により選ばれた首長やスキームを考えついたコンサルへの監視について機能していないことも一因になる。 説教臭いけど、興味を持つことが大事なのではないかと思った。 全部に興味を持つのは大変だから、何か軸を定めて判断できるようにしてきたい。

    book Created Sun, 04 Jan 2026 00:00:00 +0900
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